新生児の脳を育てるには

脳の中の配線がまだほとんどできていない状態

新生児はまだよく眼も見えないため、周囲のことがわからないのでは、それでは何かを働きかけることがムダなようにも思えます。しかし、そうではありません。きちんと脳のしくみはできているのですが、脳の中の配線がまだほとんどできていない状態なのです。配線というのは、4‐5億個の神経細胞から伸びている樹状突起が絡み合ってできたものです。

しかし、これは放っておいて発達していく、というものではありません。ですから、新生児をほうっておく、ということは、配線をなかなか作ることができない状態で放置しておく、ということと同じなのです。では、どのようにすれば、脳の中の配線がよりよく、より早く、発達していけるのでしょうか。それには、お母さんからの働きかけが重要です。おっぱいを飲むときには、顔に触れる触覚で刺激を受けることができます。

お母さんのおっぱいから伝わる体温でも刺激になります。耳も聞こえています。お母さんの肌に赤ちゃんの耳をくっつけることで、胎内で聞いていたのと同じ、心臓の鼓動のリズムが伝わって聞こえていることでしょう。それだけでなく、お母さんが優しく語り掛けてあげれば、その声もまた刺激になるわけです。言葉の意味などまったくわからなくても、声の調子などから、自分を愛してくれていることがわかり、保護してくれる人はこの人なんだとわかります。こういう毎日の習慣が、赤ちゃんは胎内から外界に放り出されたストレスも薄れ、安心感が増幅され、また、情緒も安定していきます。もしも、看護師の人手不足のため、生まれてから授乳もさせず、人工栄養でまかなう、というような産院・病院では、初めからそこでは出産をしないほうが賢明でしょう。