神経細胞に酸素と栄養を与えるという重要な役目
母乳が何にもまして、優秀だという話はよく聞くことですね。では、それはなぜなのか、詳しく見ていきましょう。赤ちゃんの誕生以降、爆発的に増えていかなければならないとされる「グリア細胞」これは、神経細胞に酸素と栄養を与えるという重要な役目を担っています。
脳には、酸素と栄養、これらが欠ければもう人間としての活動が危うくなってしまうくらい大切なものです。グリア細胞が増加していくためには、必須アミノ酸が多く含まれている良質のたんぱく質が不可欠です。この良質のたんぱく質こそ、母乳の中にたっぷりと含まれているのです。さらには、その良質のたんぱく質を分解して、赤ちゃんの体内で働きやすい「アミノ酸」に変化させるための酵素まで母乳の中には備わっているのです。
特に、初日から5日目までの初乳といわれる母乳には、大変濃い濃度のたんぱく質が含まれています。これは栄養補給としての役割のほか、様々な病原菌に対する抗体を赤ちゃんに与えることができるとされています。初乳以降の母乳のなかに含まれるたんぱく質は、次第に薄くなってはいきますが、人工的な粉ミルクにくらべて格段に優れているポイントは、何でしょう。それは、母乳の中のたんぱく質は、牛などではなく「人」によって生成されたものである、という点です。人の赤ちゃんは、やはり、人によって生成された栄養素のほうが、消化しやすいし、吸収も容易です。その反面、牛などの動物が作ったたんぱく質は、まだまだ消化能力の低い赤ちゃんにとって、消化するだけでかなり大変です。ですから、消化不良を起こすこともよくあることなのです。消化活動ですでに大変な思いをしているのですから、それだけ血液が胃腸に集中せざるを得ません。その点、母乳であれば、胃腸での消化活動が容易ですから、栄養を血液に乗せて、脳にたくさん運べ、脳の発育にエネルギーを使えるというわけです。